真珠と映画
真珠と映画
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
お正月といえば、映画というのも楽しみの一つ。今は劇場というのもちょっとはばかられ、残念な気がしますけどネット環境さえあれば、いろんな映画が楽しめる時代。そこで今回は、エッセイスト岩田裕子さんが記している真珠に関わる映画をご紹介します。
「美しい一粒真珠をじっと見つめていると、なぜか胸が痛くなる。『人魚の涙』の別名があるように、真珠は、心の底に沈んだ悲しみを浮かび上がらせ、それを優しく癒してくれる。母貝の苦しみから誕生した真珠は、忍耐力と受容性の化身なのだ。母の愛にも似た、その静かな情熱に、女は自分の思いを重ね、男は理想の女性像を、その慈愛に満ちた輝きに見るのである。
真珠をまとった女たち。スクリーンの向こうの彼女たちは、愛に苦しみ、しかしその母性にも似た優しさで、愛する男たちを許していく。真珠の甘い輝きに似た、死ぬほど美しい映画がある。」
それが、
「欲望の翼」1990年作品
というタイトル。
この映画、当たり前の普通の女が、どうしようもない男と出会ってしまうお話らしいです。ウォン・カーウァイ監督作品。「1960年代香港を舞台にし、どうしようもなく魅力的で、女を狂わせる男が登場する。
とここまで書いて、早くみてみたいという衝動に駆られる。レスリーチャン演じるヨディは、ただむなしい毎日を暮らすだけ。彼が愛しているのは、女たちより、育ての親である義母。しかし母は冷たい。」
とまあ、ストーリー設定からして意味深。
そして静と動、二人の女が登場し、ドロップタイプのイヤリングをめぐって話が展開していくという。「溢れる情熱でぎらついていた」という表現もしている。
サブキャッチコピーには
「ときに女性は、自らの人生を重ねるかのように真珠を身につける。優しく、強く、甘く、慎ましく、無垢で、妖艶・・・・・印象が変幻自在な真珠とそれを身にまとう女性たちの物語。」
と紹介している。
この文章一文も、実に真珠をうまく表現しているなと感心してしまうのです。
そこにどんな人生が描かれているのか楽しみです。≪印象が変幻自在な真珠≫を操ること出来たら、いろんな人生模様をも表現できる事につながるのではないかと、ハッとさせられた一文でもあります。
そこにある瞬間が甦りました。
真珠養殖現場での事。作業場はご想像できる、その通りの殺風景な場所。そういう環境下でも、差し込む太陽光を受けて養殖場から上がってきたばかりの、真珠。いびつな形をしているもの、丸い形に近いもの、色味の違いも多々。ここから一粒づつ選別されていくのです。私には水に洗われて姿をみせたばかりの真珠は、水にぬれていた方がいいんではないか、と思わせる位、本当に美しくきれいなものに思えました。
とここまで書いて、『そうだ、いつか、人が体につけたまま水に濡れているというシーンを切り取って発信してみよう』と思ってしまいました。≪印象が変幻自在な真珠≫表現への挑戦ですね。
こんな夢描いたお正月、真珠がテーマとなる年始でした。
皆さまにとって素晴らしい一年になりますように、心からお祈り申し上げます。
*本文紹介の記事は、平凡社「別冊太陽」からの記事引用、抜粋が含まれています。
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